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ホストクラブと歌舞伎町ブックセンターで売る「愛」の違いとは?

お久しぶりです。中村うさぎです。

 

新宿歌舞伎町にオープンした「歌舞伎町ブックセンター」に行ってきました!

歌舞伎町といえば、私がホストクラブ通いをしていた頃、2千万円という金を私の懐から吸い取った思い出深い街(苦笑)。でも、そんなことがあってもなお、やっぱり大好きな街なんです。

そんな歌舞伎町に、なんと本屋さんがオープンしたという話を友人から聞きました。

何故、歌舞伎町に本屋? しかもオーナーはホストクラブを経営する有名カリスマホスト? ていうか、ちょっと! この人、私の知り合いじゃん!
というわけで、さっそく取材しに伺った次第であります。

 

お店の外観は、こんな感じ。なんだかNYみたいな(って、一度しか行ったことないけど、NY)クールな感じがいいですね!

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こちらのオーナーさんは、ホストクラブ「Smappa!」グループを経営する手塚マキさん。以前、私も「Smappa!」さんには伺ったことがあります。イケメン揃いで楽しい夜でした!

その手塚さんが、クラウドファウンディングで資金を募って開店させたのが、この「歌舞伎町ブックセンター」。

店内はバーが併設されていて、購入した本をお酒飲みつつゆっくり読むこともできるのです。こういうの、いいよね。私は本買ったらすぐ読みたいタイプだから、カフェやバーが併設されてると嬉しい。

この日はたまたま高級ソフトクリームの機械を設置していて、スイーツ好きの中村としては「おお!」という感じでした。食べたかったなぁ。

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中村うさぎ

「そもそも、どうして歌舞伎町に本屋を開こうと思ったんですか?」

 

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手塚マキ
「最初は、ホストにもっと教養をつけさせたいと思って、いろいろやってたんですよ。座学でやるよりも、もっと本を読んだり映画を観たりして感性を伸ばして欲しい、と。
それで、本を買って読んで、それの感想をブログに書いて持って来たら、その本を書い取るシステムをやってたんですね。買い取った本を会社にキープしておけば、ブログを読んだ他のホストが面白そうだと思って読んでくれるかもしれないし」

中村うさぎ
「なるほど。効果ありました?」

手塚マキ
「全然(笑)。誰ひとり、本も読まなければブログも書いて来ない。そこで、事務所に本棚を置いて自分の読んだ本を並べてみたけど、やっぱり誰も読まない。朗読会も企画しました。売れないホストの罰ゲームとして。罰で店の掃除とかさせてもあんまり意味ないと思って、早めに出勤させて「坊ちゃん」を読む、みたいな企画を3回くらいやったんです。でも、読書文化は全然広がらなかった」

中村うさぎ
「普段、本を読む習慣のない人にいきなり読ませようとしても難しいですよね」

手塚マキ
「そうなんですよ。この店も最初はバーで、本棚を置いてサロンみたいにしていたんですけど、誰も読まなくて。で、今回一緒にこの店をやってくれることになった草薙さんとそんな話をしてたら『じゃあ、いっそのこと、ここを本屋にしたらどうですか』と。それで、ブックセレクトをしてくれる専門家の柳下さんにも入ってもらって実現したわけです」

 

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中村うさぎ
「でも、ホストに本は必要ないだろって言う人もいるでしょ?」

手塚マキ
「ええ、確かに『今日の仕事』には必要ないです。ホストの会話は瞬発力ですからね。豊富な知識が要求されるわけでもないし、ひとつのテーマについてじっくり考える必要もない。
でも、僕の店で育った子が外の社会に出て『お金はあるけど何も知りません』みたいなんじゃ、僕としても責任を感じるんですよ。瞬発力だけで稼いでお金貯めて、でも『焼肉とゴルフくらいしか語れません』なんていう人間は世の中で通用しないよ、と僕は言ってる。ホストクラブという場所でせっかくいろんなことを体験してるんだから、それをもっと深く掘り下げる力があれば、ホスト稼業からお金だけじゃないものを得られるはず。だから『今日の営業には関係ないけど、君の長い人生にとっては物事を深く考えることは必要なんだよ』という言い方をしてるんです」

 

なるほど。これって手塚さんの「親心」だなぁ、と、聞いていて感心しましたよ。

確かに若いうちは、見た目や愛嬌や瞬発力だけでやっていけるかもしれない。それはホストに限らず、女子もね。でも、ある時期からそれだけではやっていけなくなって、その時に慌てても遅いんだよね。私も30代になってから初めて「しまった! もっと勉強しときゃよかった!」って思ったもん。

と、そこに、現役ホストのMUSASHIくんが登場しました。週に1~2日ほど、こちらで書店員をやっているそうです。

 

中村うさぎ

「MUSASHIくんは本を読むの好きなんですか?」

 

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MUSASHI
「以前はちょこっと読む程度だったんですが、ここの店員になってからいろいろ読むようになりましたね。お客様にもいろいろお勧めたしたりしますし」

中村うさぎ
「そっか。自分が読んでなきゃ勧められないもんね。どうですか、ホストと書店員の兼業って。だいぶ違うでしょ?」

MUSASHI
「違いますね。でも、楽しいです。自分が勧めた本が売れた時、1,000円か1,500円くらいの本だったんだけど、ホストクラブで5万、10万のシャンパン入った時と同じくらいアドレナリンが出たんですよね(笑)」

中村うさぎ
「ほう! 金額は二桁違うのに!」

MUSASHI
「なんか、『自分が勧めたものをお金出して買ってくれた!』っていう喜び? あれ、何なんだろう?」

中村うさぎ
「あ、でも、わかるよ、それ。シャンパンってさ、結局、記号じゃん? 今月いくら売り上げなきゃいけないからピンドン何本入れてもらう、的な。要はお札の代わりだよね。だけど、本は記号じゃないじゃん。本は武蔵さんの一部だよ。どんな本が好きなのかは、その人の人格の一部だと私は思う。本棚見ると、その人がわかるって言う人もいるし」

 

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MUSASHI
「あ、そうですね。僕の勧めた本を買ってくれたってのは、僕の感性を買ってくれた、みたいな」

手塚マキ
「そうだね。MUSASHIとそのお客様は、そこで感性を共有したんだよね。シャンパンは記号だから、そこに感性の触れ合いとかはないからね」

中村うさぎ
「そっか! MUSASHIくんはホストクラブで愛を売ってるわけだけど、この店ではまた違う愛を売ってるんだね!」

 

あ、なんか、すごくいい話!

もしかして、これこそ手塚さんが若いホストの子たちに教えたかったことなんじゃないか、という気が私はしました。

 

色恋とはまた別の「愛」の在り方。

色恋も大切だけど、この広い世界には、もっともっといろんな種類の「愛」がある。手塚さんのホストたちに対する父親みたいな気持ちも、MUSASHIくんが本を通してお客さんと触れ合わせた気持ちも、それ、みんな「愛」だから!

 

そう、この「歌舞伎町ブックセンター」のテーマは「愛」。

恋愛はもちろん、郷土愛や人間愛や動物愛や、さまざまな「愛」をテーマにした本を揃えているのです。

歌舞伎町は愛の街だから」と、手塚さんは言います。

そうだね。苦しい愛も悲しい愛もきっとあるけど、癒される愛や繋がる愛や明日を切り拓いていく愛も、この街にはたくさんある。

そして、この書店は、そんな「たくさんの愛」を発信しているのですね。

 

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手塚マキさんおすすめの一冊

 

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MUSASHIさんおすすめの一冊

 

ところでフェイスブックの評判見たら、どうやらここのお店のハンバーガーが超絶美味しいらしい。ハンバーガーとソフトクリーム食べたかったぁ! 次に行く時は必ず食うぞ!と、心に誓った中村でした。

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美味しい食べ物も「愛」だよねぇ!

 

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店名 歌舞伎町ブックセンター
住所 160-0021 東京都 新宿区 歌舞伎町2-28-14
電話 
営業 11:00~17:00
定休 なし
地図

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